
普通充電と急速充電の使いこなし方
時間をかけて、満充電を目指すのが普通充電。
充電時間を短く、必要な分を充電するのが急速充電。
同じ充電でも、普通充電と急速充電は目的や使い方が異なります。

普通充電器
急速充電との大きな違いは充電速度、言い換えると「充電器の出力」です。現在の日本国内の普通充電用充電スタンドの多くが、3kW(200V×15A)の出力で充電する仕様になっています。つまり、1時間で充電できる電力量は「3kWh」です。10時間充電した場合、電力量は30kWhとなってしまいます。たとえば、62kWhの日産リーフe+を残量がゼロに近い状態から満充電にするためには、約20時間が必要という計算になります。
しかし、私たちが提供する新型の普通充電器は6kWの出力で充電するので、今までの半分の時間で充電可能となりました。
※6kWの出力を得るためには、200Vの場合は30A(6kW ÷ 200V)、100Vに換算すると60A(6kW÷ 100V)という電流が必要です。一般的な家庭の電力契約で60A(100V)という大きな電流を確保するためには、契約容量の見直しなどが必要です。必ず、業者などに相談して、設置場所や電力会社との契約容量などを確認するようにしてください。

急速充電器
普通充電に比べて高出力で短時間に充電する方法です。車両側の充電口も普通充電とは異なり、急速充電器からEVへの電気は直流を使用します。
急速充電器はおもに高速道路のSAやPA、幹線道路沿いの道の駅、ディーラーなどに多く設置されています(個人の自宅に急速充電器を設置することは困難です)。また、多くの急速充電器の利用は1回30分と決められています。30分間充電しても、補給できる電力量は最大で25kWhという計算になります。62kWhの日産リーフe+では、1回の急速充電で回復できる電力量は最大でも約40%程度ということです。また、多くのEVが搭載しているリチウムイオンバッテリーには、満充電に近づいていくと急速充電の受入電力を抑える特性があります。
※前述しましたが、外部充電が可能なプラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)において、ほとんどの輸入車(メルセデス ベンツA250e以外)は現在のところ普通充電のみの対応で、急速充電用の充電口はありません。

普通充電・急速充電を使いこなすためのポイント
ますます普及するEVやPHV車などの外部から充電可能な電動車(プラグイン車)で旅行やロングドライブを行う際は、事前にルート上で急速充電できる充電スタンドを確認して、余裕をもって走りきるための充電計画を立てておくのがおすすめです。
また、宿泊施設やレジャー施設などを利用するのであれば、その駐車場に充電設備があるかどうか、確認しておきましょう。長時間滞在する宿泊施設などでは、30分制限がある急速充電器より、さほど時間を気にせず満充電まで充電できる普通充電器を利用するのがむしろ便利です。
これからプラグイン車が普及してくるほどに、普通充電設備を備えているかどうかが、宿泊施設やレジャー施設を選ぶ重要なポイントになってくることでしょう。